前川の日記#1『未経産牛の難産【ヒップロック】』

牛の管理

今回からリアルタイムの僕の日記を書き始めたいと思います。

昨日、牛の分娩がありまして、とても良い気づきがあったのでシェアさせてください。

21時頃に1次破水があり、観察を続けて早朝5時半に僕と母で助産に入り30分かけて無事に大きなオス子牛が生まれました。

その助産の時に気づきがありました。

未経産牛は産道が狭く骨盤も小さいのですが、さらに胎児もデカかったので胎児のオデコで産道に引っ掛かり、引っぱり出せたと思ったら胎児の骨盤でまた引っ掛かりました。

その時に初めて「ヒップロック」を経験しました。

ヒップロックとはお母さん牛の骨盤と胎児の骨盤が引っ掛かり、外に引っぱり出せなくなってしまう事です。

この状態になると無理に胎児を引っ張り出そうとすれば、最悪の場合、お母さん牛と胎児は死んでしまいます。

なので、早急にヒップロックを外さなければなりません。

ヒップロックの外し方は、まず胎児を少しお母さん牛の体内に押し戻します。

そしたらヒップロックが外れると思います。

外れたらまた引っ張るのですが、同じように引っ張るとまたヒップロックになるので胎児を90度くらいぐるっと体勢を変えてあげます。(自分で出来なければ獣医さんにお願いしましょう)

その状態で胎児を引っ張ってあげると胎児が出しやすくなります。

牛の分娩の助産をする際に「ヒップロック」があるかもしれないと意識するだけで子牛とお母さん牛の生存率が上がると思います。

ではまた!